親が子どもを心配するのは「自分が安心したい」から

私の母はひたすら心配する人

この性質は私も不本意ながら30%ぐらい引き継いでしまったので正直嫌なんですけど、母は何かにつけて、とにかく、やたら、ひたすら心配する人です。小さなことでも何かあったら守りに入る方です。
 
そんな親に育てられたし、親に逆らったりしたらすごーーーく怒られたので、いい子ちゃんで言うことちゃんと聞くし、守りに入るタイプに私は育ちました。
 

留学したいと言い出した私に「危ないからだめ」

それでも、思春期になれば多少の反抗心もめばえ、やってみたいことも出てきました。
 
それはアメリカ留学。小学生の頃から英語に興味があって、中学では友人がアメリカの学校に転校していったことで、留学がグッと身近なことになりました。
 
最初は英語が話せて、通訳とか映画の字幕書く人になれたらかっこいいな、ぐらいのぼんやりした夢。
 
それから具体的に資料を集めたり、同じ夢を持つ友人と当時行ったこともなかった大阪まで出向き、留学説明会に参加したりしてました。
 
それなのに、留学したいって母に伝えると「え〜・・・危ないからだめよ。銃の乱射事件とか、どこで起こるかわからないやん」と言われてあえなく撃沈。
 
いやいや、本当にやりたいことならもっと食い下がりなさいと思うでしょ?無理なんですよ、逆らったら怒られるし、追い出されるから。(逆に追い出されたらよかったねと今なら思う)
 
コントロールされ、心は奴隷みたいになってましたからね。子どもにとって、親は絶対の存在なんです。
 
だから大人しく、家から通える範囲の短大(女の子は4年の大学になど行かんでよいという父親の隠れたコントロールが30年後に発覚)に進学しました。
 
今思い出したら泣けてきた。悔しい。この時押し切って留学できていたら、私の人生全然違ったものだろうな、あんなことやこんなことに悩まされず、たとえ何かにつまずいたりしてもずっと自分の人生を生きていただろうなと思います。くそー。笑 
 
あ、でも今は自分の意思で選んでいるので、幸せです。
 
 

元夫が海外駐在になって、家族でついて行くと伝えたら母は泣いた

その後親も認める地元企業に就職した私は、職場結婚しました。安定した一部上場企業サラリーマンの元夫。めでたく両親の望むレールに乗った私。
 
子どももでき、順調に親の世界の「幸せ」を体現していきました。
 
しかーし!そんな私に、形を変えて、果たせなかった夢を実現するチャンスがやってきたのです!
 
それは元夫の海外赴任。アジアだし、アメリカ留学とはちょっと違うけど海外に住むというまたとないチャンス。私は夫に二つ返事でついていくと答えました。
 
ドキドキワクワクで準備を進める中、赴任のことを母に伝えたのですが・・・。「えええ!そんな遠くに!会えなくなるやん、それにアジアなんて危ないし!」と、不安そうに言いながら泣き出しました。
 
(私の心の声)もうね、めんどくさいわ。もうわかってしまったのよ。あなたのせいで私、自分の人生やりたいことできなかってん。
 
「心配しないで。だってそのアジアの人たち、生きてるでしょ?全滅してないでしょ?治安の悪いところに夜近づかなければ大丈夫でしょ?私、いつまでもちっさい子どもちゃうねん。大丈夫やから!」ってやっと言えたんですよねー。親離れまで時間かかったわー・・・。
 

心配がコントロールをまねく

子どもが熱を出したから心配で病院へ連れて行く、というような状況を除いて、多くの「心配」は、親の想像の範囲を超えることの不安からくる、子どもへのコントロールですよね。
 
幸せにはなってほしいけど、子ども自身で乗り越えられると信頼できていないから、親の思う幸せの道を歩んでくれたほうが安心なのです。私の場合もそうでした。
 
両親は私に幸せになってほしいけど、ちゃんとやっていけるのか、病気にならないか、怪我しないか、死にはしないかと常に心配してます。
 
だから時には怒り、時には泣きを入れてまで巧みにコントロールして親の安心できる道へと誘導していきます。
 
要するに、自分が安心したいだけ!本人気づいてないけど、「自分が安心したいだけ!」それって本当の子どもの幸せじゃないですよね。
 
 
例えば、子どもが宿題をしないとき。うちの親は孫に対してこんな感じです。
 
宿題をしないでゲームばっかりやってる
   ↓
成績が下がる
   ↓
いい高校・大学に入れない
   ↓
安定した職に就けない
   ↓
お金ない
   ↓
結婚できない
   ↓
不幸になる
   ↓
どうやって生きて行くの??死ぬ?みたいな思考です。我が子がそんな風になりそうならまあ当然不安ですよね。
 
「不安」は嫌な感情だから、安心したいのです。
 
さらに親は子どもよりも絶対に「賢い」と信じているので、賢い人の意見に従うべきだと思っています。だから親の言うことを聞いて、勉強しろと言うわけです。
 
「賢い人の意見に従うべき」という考えには、「失敗してはいけないから」という恐れも含まれています。「失敗」は、「不幸」と信じているからです。
 
失敗って不幸ですか?そんなこたーないでしょ。失敗したり、悲しいことに出会ったりしたから人間性に厚みが出て、人の気持ちがわかったり、強くなったりしていくのです。助けてくれる友達が現れたり、逆に友達が凹んだ時に自分が駆けつけたりもする。そうして人生カラフルになっていくものです。
 
そういえばあの頃私はベージュでした。もしくはグレー。心理を表すかのようにあんまり色のない服ばかり着ていた・・・。それが今ではピンクのセーター着たり、まぶしい黄色のスカート履いたりしています。カラフルになりました。楽しいわ。
 
自分でも子どもたちに同じことをしていないか、常に気をつけています。子育てがしんどくなっている時には特にこうして自分を振り返ってみたほうがいいと思っています。
 
子どもを信じましょう。自分の不安を解消するために子どもをコントロールするのはやめましょう。「見守り力」をつけていきましょう!

Follow me!